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政治的安定は本当に良いことなのか? 民主主義の本分について考える

タグ:民主主義  投稿:2016年07月03日
現在参議院議員選挙の真っ最中ですが、テレビなどで『政治的安定のために我党へ投票してください!』と口にする与党議員をよく見かけます。
政治的安定とは、国会の議席に於いてどの党も過半数を持っていなかったり、衆議院と参議院で多数派となる党が違うなどの理由で政権運営が滞ることを避けるため、多数派となる与党側が衆議院・参議院共に過半数を大幅に超えた安定的な議席数を占めることを言います。
確かに、不安定な議席数では国家の政策が進みづらく、国会がうまく機能しない可能性もあります。

しかし、政治的安定は本当に必要なのでしょうか?

少し視野を広げ、日本以外で政治的(議会の議席数的)な安定をしている国を見てみたいと思います。
まず、近隣国で圧倒的に政治的安定をしている国は北朝鮮です。
なにせ、建国以来ずっと朝鮮労働党から政権交代したことがないわけですから、その安定具合は計り知れません。
もはや、国内の事情で政権交代する可能性は0%に等しいと言えるでしょう。
同じ理由で中国も圧倒的な政治的安定を誇っています。
国政を担う人達に対する選挙がない中国では、政権交代なんて起こりっこありません。
歴史的に見れば、ドイツのナチ党(ナチス)なども圧倒的な政治的安定を誇っていました。

これらの国や歴史的事実を見て、政治的安定が良いことと思うでしょうか?
もちろんこれらの例は特殊であり、選挙のない一党独裁国家だったり、特殊な時代背景があったケースです。
しかし、本来の民主主義とは政治的安定を求める制度ではなく、むしろ国民が国政に対し政権交代などの政治的不安定さを与える権利なはずです。
にも関わらず、民主主義の根本である選挙で政治的安定などを訴えるなんて言語道断です。

現在の自民党は、民主党政権崩壊降全ての選挙で圧勝しています。(ただしその議席数は投票数の比率を大幅に超えていて、前回衆議院選挙で自民党は比例区で全有権者の16%程度の得票しか得ていない)
1つの党がここまで圧倒的多数を持ってしまった結果何が起こるでしょうか?

それは国民に対する抑制的な政治と、それを行うための警察権の乱用です。

上記に挙げた海外の国々を見ても分かるように、圧倒的な政治的安定を持った政府や役人は、国民の思想や言動を極端に抑えみ、政権批判をしただけで逮捕するなど国民に対して抑圧的になります。
戦前の日本でも、治安維持法という国民に対して抑圧的な法律が施行されたことがあります。
この法律は元々共産主義者を取り締まるものでしたが、数年後には取り締まり対象は宗教団体や右翼にまで広がり、最終的には政府を批判しただけでも逮捕されるようになりました。
現在の日本で政権批判をしただけでいきなり逮捕されるようなことはないでしょうが、警察権の乱用は、大きな批判の上がらないような分野から始まり徐々に広がっていくものです。
日本における大きな批判の上がらないような分野とは、ギャンブル関連とアダルト関連が分かりやすい例です。
これらの分野は法的にグレーな状態で運営されているため、いつでも警察の捜査対象になりますし、多少強引な捜査や逮捕が行われても多くの人が批判を上げにくい分野でもあります。
これら分野に今までなかったような摘発が起きれば危険信号です。

そして、現在の日本ではその危険信号は既に出ているのかもしれません。
今年に入ってから今までなかったようなギャンブルやアダルト関連の逮捕が相次いでいますし、最近では、先月1ヶ月間で出頭に応じなかった交通違反者516人を逮捕したとの報道もありました。(東京を管轄する警視庁だけでの人数)
もちろん上記の犯罪捜査は不当なものではありませんし、これらの犯罪を起こした人を擁護しているわけでもありません。
しかし、傾向として現在の日本は国民に対し抑制的になってきていることは確実かと思います。

現在、日本では政治的な安定がまるで良いことのように語られる傾向がありますが、実際に政治的な安定とはとても危険なことであるとも言えます。
そして民主主義の本分とは、選挙による政権交代の可能性を含む政治的不安定にあると声を大にして言いたいと思います。

パート2に続く・・・

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タグ:民主主義
posted by 3 at 23:46 | Comment(1)
この記事へのコメント
比較多数 絶対多数を 確保せり 政治安定 国衰えど
Posted by かみかわ at 2016年07月04日 21:47
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